産後の女性というのはみんな骨盤が開いた状態になっています。というのも、女性の体は妊娠すると出産に備えて靭帯を弛緩する作用のあるリラキシンというホルモンが分泌され、それが産後6ヶ月頃まで続くからです。
骨盤が開いているとそこへ内臓が下がってきて、子宮や膀胱が圧迫されます。その結果血流や代謝が悪くなり、痩せにくい体になってしまいダイエットをしても効果が出なくなってしまいます。
産後お尻がたれたり四角く大きくなったり、下半身太りして体のラインがくずれるのも大体がその影響です。またスタイルだけでなく頭痛や肩こり、坐骨神経痛など健康上の問題も引き起こしてしまいます。
ただし、産後リラキシンの分泌が続いている間は関節がやわらかくなっていますから、矯正のチャンスでもあります。矯正すると内臓の位置が元に戻り、血流も代謝もよくなってダイエットの効果が出やすくなります。下半身が引き締まってすっきりとしますし、体の調子もよくなってきます。

矯正するための体操のやり方です。
まず、仰向けに寝て足の様子を見てみましょう。正常な状態であれば足の親指は上を向くはずですが、もし外を向いていれば骨盤が開いているということになります。たとえば、右足だけ外側を向いているなら右側が開いているということになります。
確認できたら、仰向けに寝たまま膝を曲げ、両膝を垂直に立てます。そして開いている方の脚に、もう片方の脚を組むような感じでのせます。
上にのせた足のふくらはぎで下側の膝を体の内側へ倒すような感じで、30秒間ぐーっと押します。
次に起き上がって開いている側の膝を立てて90度に曲げ、もう片方の膝は下につけてやはり90度に曲げます。そして立てているほうの膝にひじをのせて上半身を30秒間ぐーっと前に倒します。これを毎日続けると効果的です。

他にも、うつぶせに寝て1~3分程度お尻を左右に振り、その後1分間お尻全体をぽんぽんとたたく、ということを繰り返すのも効果があります。
お尻歩きも良いです。脚を伸ばして座り、手は胸で交差させ、そのままお尻で前に10歩歩き、次に後ろに10歩下がります。今度は両手を上に上げてお尻で後ろに10歩下がります。歪みをとるのはもちろん、歪みの予防にもよいエクササイズです。
また壁を使った体操もあります。胸を張り壁に片手をついて立ちます。そのまま片足を前に直角にまで上げて1秒止め、その脚を伸ばしたまま後ろに上げます。この動作を左右それぞれ30回行うと良いです。

産後は無理なダイエットよりもまず骨盤矯正を心がけましょう。